住いの話  −その10−
大本さんとの付き合いも長い、福博木材センターさんを訪問。住吉社長にお話を伺いました。

福岡市東区、都市高速の月隈インターの近くに会社はあります。国道や空港、高速道も近く、物流の基地としては、便利な場所です。とにかく大きく広い木材倉庫の入り口の事務所棟と2階で、窓から倉庫内部を眺めながら、インタビュー。倉庫ではフォークリフトやトラックが行き交い、事務所内部も活気があります。木材に関するいろいろな話を熱く語って戴きました。(インタビュアー/原久雄)


Q1.
いや〜、広いですね〜。
お忙しい中、よろしくお願いします。

福岡市内でもこれだけ広い木材倉庫をもってるとこはないでしょうね。大屋根で、在庫している木材も雨にかからないしね。屋根が広いので、今、九電と契約して太陽光発電のパネルを付け、電力を売ったりもしてます。(笑)
昨日も、市内のホテルで、会合がありました。
今、全国的な木材問屋さんが、70社ほどの木材メーカーさんと、全国ネットのHPを立ち上げて、一般消費社の方が家を新築する時に、工務店さんや設計事務所さんを選び易くする為の仕組み作りをしようとしています。今度、その集りに、大本さんとこにも声かけをしようと思っています。

Q3.
住吉社長はこの福博木材さんで、もう長いのですか?

いや、社長をやり始めてから11年かな。その前は木材の問屋に勤めていて、この会社はその時からよく知っていました。勤めてた会社が倒産したので、その時にこの会社に入ることになって。会社に入って一年経った時、当時は会社の状況も厳しい時期で、先代の社長も高齢だったもので、「お前、社長やれ」と言われて、11年。(笑)
社長を受け時は、従業員7名で取引先も100社くらいだったのが、今は従業員14名で、取引先も200社以上になりました。売り上げも8億超しているし。


すごい伸びですねぇ。で、扱っておられるのは木材だけですか?
今は、木材だけでなく、家に関するモノすべて、新建材や住宅設備品なども扱っています。木材などは、いろんな材を持っているので、材木屋さんがうちに買いにきたりもされています。

Q4.
木材は外材も多いんですか?

いや、九州は国産材の割合が高くて、国産材7割、外材3割くらいだろうか。東京や名古屋あたりではその逆で、外材が7割くらいになってます。国産材はほとんどが杉、檜です。我が社で取り扱ってるのは、熊本材、それも森林組合から入れてるものが多いです。森林組合は自分とこの山の木を順に計画的に伐採しており、同じ山から出る材なので材質が安定してますし。日田辺りですと、原木市場に材が集められてそれを製材所さんが買って挽くわけですね。すると、その都度出所の山が変わる場合があり、木質がバラついたりする場合があるんですね。
ただ今は、グリーン(未乾燥材)でなく、KD(人口乾燥材)やAD(天然乾燥材)になっているので、そうなると一番森林が多い宮崎材が大量に流通しています。宮崎は、森林組合(雇用確保の為、人手が掛かる体制)よりも、規模が大きな個人の製材所が多いんですね。すると、機械化が進んでおり、そこに補助金で乾燥窯も入って、量産し
コストダウン化されて、東京あたりに大量に出回っています。宮崎産の半分は東京でしょう。

Q5.
国産材は今どうなんでしょう?やはりコストの面で外材に負けているんでしょうか?

やはり、コストランニングは高いですね。特に日本の山と言うのは、昔からなかなか機械導入ができにくかったし。ただ、ここ5〜6年前から随分、山の切り出しが機械化されるようになってきて、伐採量がかなり増えました。今だったら、国産材の価格も下がって、トントンくらいになってきたのじゃないかな。
日本の山はどちらかというと、密植型の植林で、間伐をしなきゃならないし、戦後植林されたモノがもう60年になり、間伐というより全伐しなきゃならない時期。ドイツあたりでは、5〜60年で循環するように計画的に伐採してますが、日本の場合、その仕組み作りがまだなされてないすね。
国の施策で、外材の輸入、すなわち国産材と外材の割合をどうするか?という問題もあります。

ただ世界的に今、森林を残そうという動きがありすよね。エコという考えで。だから使える木、残す木とうまく使っていき循環させていけば、面白い可能性も秘めている素材ですよね。それから、今後日本が木材の輸出国になる可能性もあります。現に今、対馬の檜が韓国に輸出されてるし、杉などもこれから輸出を計画されています。ヨーロッパのホワイトウッドが日本入ったように、森林国日本の木が、中国、インド、中東あたりの木材が不足してる国に輸出される可能性もあるのではないか、と。
又、今ヨーロッパでは、木を沢山使った建物が建っていますね。特に集成材にして、大きなスパンの建築材を作り、ビルやドームなどデザイン的にも面白い建物が沢山建てられています。先日も東大の先生の話を聞く機会がありましたが、「日本はこれだけ木造の建物が多く、技術力もあると思っていたが、いまやその技術も15年くらい遅れているのではないか?だからこれから日本の技術力もそこに向けていく必要がある。」という話でした。ただ、日本の場合は、法規制などの問題があるので、規制撤廃などの動きが出ると、木材の将来も面白くなるということです。

木材のこれからについて、熱く語ってもらいました。

Q6.
木造住宅というのは、一時期コストダウンの為に新建材などのほうに向かいましたが、最近は自然材の良さが再認識されてますよね。?

やっぱり、木の家がいいという動きはありますね。中国でも一番のお金持ちの家は木の家だし、アメリカのスターの家だって、内装などは、いい木を使った家が多いですよね。又、シックハウスなどの健康の問題などでも、木の家に帰る動きもありますし。

そうですね。これからは、いかに自然と共存して暮らしていこうか、ということが大事ですよね。
そう、だから僕は木の将来についてそんなに悲観はしてないんです。

Q7.
コレからは少子化で、家余りということもないんでしょうか?

確かに少子化で、新築よりもリフォームして住むというのも増えるでしょう。ただ、昔の家でも立派な梁を持つ古民家ならいざしらず、戦後コストを落として建てられて家というのは、今の基準法以下の家が多いんです。それらは、リフォームよりも、立て直した方が早いという家が多いんですね。
改装の専門業者というのは、営業的になんでもリフォームで済まそうとしたり、建築の知識を持たない業者も沢山あり問題がありますから、新築もするが改装もできる、という建物を知った工務店と付き合っていきたいですね。大本社長のように図面をみればすぐにわかる、というような工務店でね。(笑)

Q8.
大本さんのところとはどんな付き合いでしょうか、付き合いやすいですか?(笑)

僕が会社に入る前からの付き合いで30年以上になると思いますし、単発的な仕事の付き合いでなく、継続しているパートナー同士ですので、通じるところはありますね。現に、コンスタントに仕事を戴いているので、安くていい材が出たときなどは、こちらで取っておいて、次の物件の時に安価に提供する、とか。
ま、お互いに言いたいことは、率直に言えるというか。隠したっていつかは何でも解るのだから(笑)。
大本社長からは、俺より先に会社をやめたらイカンばい。そうしたら、もうこの会社とは付き合わんから。など言われたりします(笑)。


倉庫の中で、「ほら、これ大本と書いてある。今度の物件の材料です。」と指差しされる住吉社長。

そんなわけで、今回は住吉社長に、インタビューさせて戴きました。
木材の事、いろいろと興味深いお話を聞かせて戴きました。お忙しい中、有り難うございました。
又、来月の花見でお会いしましょう。
ところで住吉社長、お酒が飲めない体質だとか。精力的なお話からは、まったく意外でした。(笑)
2013年・3月 文責・原